■2016年6月1日より必要となりました
2016年(平成28年)6月1日より、これまで「とび・土工工事業」の枠内で行われていた解体業にも、建設業許可が必要になりました。
もちろん軽微な工事(1工事500万円未満)しか請けない解体業者は、法律上は”許可”不要であることは、他の28業種と変わりません(ただし解体業”登録”は必要)
しかしこれも他の業種と同様、注文者(特に得意先である元請業者)が、「許可のある業者優先で発注する」という方針なのであれば、やはり許可を受けざるをえない、ということになります。
■「とび・土工」で解体工事を請けられる経過措置は、2019年5月31日まで
上記の法律改正には、経過措置として、2016年6月1日時点でとび・土工の許可がある業者は、2019年(平成31年)5月31日まで、解体の許可を得ずに解体工事を請けることができることとされています。
さらには専任技術者についても、2016年6月1日時点でとび・土工の専技に該当すれば、2021年(平成33年)3月31日まで、解体の専技とみなされる経過措置があります。
逆に言えば、これを過ぎると、解体工事を受けられなくなってしまうおそれがあるため、早い段階での準備が必要、ということになります。
具体的には、次の条件に当てはまる業者は、対応が必要です。
1.経営管理責任者について
現在、とび・土工の経験年数5年で経管を登録している業者
→とび・土工についてあと2年、または解体について5年の経験を証明した上で、業種追加の申請が必要
これは毎年の決算報告書の工事経歴がその証明書になるため、それほど難易度は高くありません。
ただし決算報告を忘れている業者は、注意が必要です。
2.専任技術者について
次の資格者をとび・土工の専任技術者として登録し、解体業を行っている業者は、2019年4月1日以降、別の要件又は別の資格者で専任技術者を登録しなければなりません。
・一級建設機械施工技士
・二級建設機械施工技士(第1種~第6種)
・二級土木施工管理技士(薬液注入)
・農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」)
・水産「水産土木」・総合技術監理 (水産「水産土木」)
・森林「森林土木」・総合技術監理 (森林「森林土木」)
・型枠施工技能士(1級、2級)
・コンクリート圧送施工技能士(1級、2級)
・ウェルポイント施工技能検定(1級、2級)
・地すべり防止工事士
ではどのような要件で専技となるのが最も手っ取り早いのでしょうか?
次の方法のいずれかによるのが簡単と筆者は考えます。
(1)指定学科経験年数によるもの
・土木工学又は建築学に関する学科卒業+経験年数(大学・高等専門学校は3年、高卒は5年)
(2)経験年数他の業種
基本:解体工事の経験年数10年
例外(他の業種の経験による緩和):
・土木工事と解体工事で12年以上の経験のうち、解体工事で8年超の経験
・建築工事と解体工事で12年以上の経験のうち、解体工事で8年超の経験
・とび・土工工事と解体工事で12年以上の経験のうち、解体工事で8年超の経験
(3)解体工事施工技士の資格を取る
毎年12月上旬に開催される、解体工事施工技士試験に合格することです。
合格率は56.0%(平成29年度北海道会場)ですので、それほど難しくない試験と言えます。
ただし受験資格があり、実務経験が一定年数必要です。
(1)と(2)については、許可期間の長い業者におすすめです。
社内に決算報告書の控が残っていれば、その中に工事経歴書がありますので、証明は容易です。
許可期間が短い業者でも、許可前のものを含め、解体工事の契約書が残っていれば、証明可能です。
■費用の目安(税抜)
・建設業業種追加(一般・知事免許・1業種まで)の基本報酬と実費
基本報酬 5万円~+実費5~6万円
・加算要素
2業種以上1業種につき3万円加算
特定許可 5万円加算
大臣免許 5万円加算
・解体業登録申請
新規 報酬5万円~+実費3万3000円~
更新 報酬3万円~+実費2万6000円~